連続殺人が起こった街で、いかにも怪しい警察官が主人公の少年4人組に犯人だと決めつけられて、浅はかな方法と浅はかな判断でどんどん証拠を固められていく。
あまりにも親切に、「これはミスリードですよー」「この警察官が犯人だと思わせようとしてますよー」という製作者の声が聞こえてくるような展開で、前半はかなり冷めた目で観ていた。もうこいつが犯人のわけがない。
「なるほど。10代向けに作られたライトスリラーか」。50がらみのおじさんが観る映画じゃないと確信した。
その警察官を調べるにつれ、それらしくドッキリ演出もあるんだが、もはやこの男が犯人とは思えなくなっていたので全く怖さを感じなかった。
どうせ、
「浅はかな少年たちがこの警察官を犯人だと決めつけているうちに真犯人に襲われ、間一髪で疑っていた警察官に助けられる。少年たちのひと夏の冒険だった。めでたしめでたし」
ってところだろう。完全になめていた。しかし、
犯人はそのまんまこの警察官だった。
「Aだと思わせてBなんだろうと思わせてA」という手法。思春期の少年を主人公に据えた青春ものっぽさと、80年代のチープな雰囲気に騙された。
犯人が判明してからのラスト20分間は正直余計だと思ったが(友達は誰も死んでほしくなかった)、製作者が伝えたかった「隣人は親切な顔をしていても何を隠しているかわからない」というテーマを落とし込むには不可欠だったんだろうな。
展開は意外だったが、面白くはなかった。