初大明神弾からの奈落
まずは、今年も初大明神弾を無事リアルタイムで拝むことができてよかった。神様の初物は縁起ものと見ているので、このご利益は逃したくない。
たしか去年は東京ドームで生参拝できた。2021年はこれといって大きな幸運に見舞われた年では決してなかったが、これといって大きな不運もなかったのはきっとご利益のおかげだ。
3回表、先取点となるツーランホームラン。ファイターズ先発の立野和明の抜群の立ち上がりから、「序盤の2点リードは相当大きいぞ!」と感じた。
その裏に立野が6失点した。
個人的に立野はランナーを背負ってもブレない投球ができる、いわゆる「ピンチに強い」耐久性の高いタイプだと思っていた。それだけに、(味方のまずい守備もあったが)ストライクが入らなくなって、連打を浴び、悪い波に呑み込まれるままに、成す術もなくマウンドでメロメロになっている立野の姿には少し衝撃を受けた。
「無敵じゃない河野」も良かった
投手陣では、3回途中から(立野の残した火消しも含めて)2イニング1/3を投げた河野竜生の投球が印象に残っている。
河野は「無敵河野」モードに入ったときの華麗な投球には程遠い内容だったが、4点ビハインドでも丁寧に、泥臭く、折れずに投げた。スクランブル登板で肩は出来上がっていなかったと思われるが、試合に集中していた。特に4回2アウトでランナー西川遥輝を牽制で刺したシーンは象徴的だった。
この力投に応える形で打線も奮起。3回表今川優馬の2号ソロホームランと石井一成の勝負強いタイムリーヒットで2点、5回表には3連打でさらに1点返して、一時は2点差まで追い詰めた。
その後は、レジェンド宮西尚生が浅村栄斗に痛恨のホームランを浴びて(さらにマルモレホスにタイムリーを浴びて)試合が決まってしまうわけだが、リリーフの頑張りで序盤に喫したビッグイニングも跳ね返せる、という感触だけは残せた気がする。
そういえば、去年の初大明神弾の試合も負けたのを思い出した。