遺書(ブログ)

哀れなるものたち

更新日:

ジャンルSF / ドラマ
製作国イギリス
製作年2023
公開年月日2024/1/26
上映時間142分
鑑賞109シネマズ川崎

「ヨルゴス作品」じゃない。ヨルゴス&エマ作品

公開初日に劇場鑑賞。ヨルゴス・ランティモス監督の「女王陛下のお気に入り」がマイお気に入り映画なので、公開前から楽しみにしていた。

ランティモス監督作は他にも現代を舞台にしたサイコスリラー「聖なる鹿殺し」を観たが、やっぱりこの監督は中世風の世界観の方が相性がいいと感じた。

ゴシック建築が建ち並び、蒸気機関が全盛の19世紀風のヨーロッパの街並み。ただし変な乗り物や変な機械、見たことも聞いたこともない技術が存在しているので、どうやら我々の世界線ではなさそう。

そんな微ファンタジー世界を、モノクロの映像、魚眼レンズの多用、不協和音の奇妙なBGMによって、終始不安げなムードで充満させている。

いいぞ。この感じ。ずっと浸っていたい世界観。
これはたぶんサブスクに来たら何度も観るやつ。

ストーリーは、「新生児の脳を移植されて生き返った女性の奇妙な冒険物語」といった、いかにも天才ランティモス監督のメタファー満載っぽい内容なんだが、1行で言うならば、

大人の女性の身体をもつ新生児が、赤ん坊から成人までのプロセスを急激なスピードで踏んでいくとどうなるのか、という構図の話。

主人公ベラ役のエマ・ストーンが、あの容姿のまま、赤ん坊から思春期を経て、自立した先進的な女性までを完璧に演じ切った。

見た目は同じなのに、序盤は本当に幼女に見えたし、中盤はイカれたティーンに見えたし、終盤は成熟した知的な女性に見えた。

いったい一人何役分を演じてるんだという感覚。これ、万が一でもアカデミー主演女優賞を獲らなかったら、アカデミー賞の存在意義をちょっと疑う(執筆時未決定)。

同じくエマ・ストーン出演の「女王陛下のお気に入り」はまぎれもなく「ランティモスの作品」だったが、本作は「ランティモスとエマ・ストーンの作品だ」と言わなければならないと思う

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