ジャンル | コメディ/ドラマ |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2021/12/16(配信のみ) |
上映時間 | 104分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
昭和で戦う新人女性監督
クリエイターが規制と戦いながらモノづくりをしていく展開は好き。三谷幸喜の「笑の大学」を思い出した。
ただし「笑の大学」は舞台脚本家が戦時中の厳しい検閲を繰り返しながら、結果「内容が面白くなっていく」という胸アツ展開だったのに対し、こちらは理不尽を訴えながらも基本あきらめて泣くだけ。
主人公の女性新人映画監督が1980年代の女性差別やパワハラに耐えながら、スケジュール、予算、脚本家の圧力、倫理規制などに心折れまくる。したがって、コメディ調ではあったものの、中盤まではあまり楽しい場面はなかった。
特にあそこは苦しかったな。最高のシーンが撮れたのに、表現が過激だったために欠番(ボツシーン)にされる場面。
「このシーンを使うと規制が入る。規制が入ると瀬川新二(主演アイドル俳優)のファンの中高生が観られないんだ。(これでは成立しない)たのむよ!」
必死で女性監督を説得するプロデューサーも、現場で盛り上がっている俳優・スタッフにこの後欠番を告げる監督も、気持ちを思うとどちらも切なかった。
ほかにも「現実」を突き付けられて滅入る場面が目白押しだが、ただしそこはコメディ映画。この苦しい展開も、終盤に近付くにつれてスカッとする方向へ流れていくのは最初からわかっていたこと。
もともと心配はしていなかったが、バラバラだったスタッフが最終的には一丸となって大団円に向かっていく。もはやお約束だね。
ストーリーにひねりがないせいか世間の評価は良くないけれど、個人的にはなかなか好きな作品だった。
ただ、ラストの「あれ」はおれも反対。