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THE MOON

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ジャンル SF / サスペンス・ミステリー / ドラマ
製作国 韓国
製作年 2023
公開年月日 2024/7/5
上映時間 129分
鑑賞 川崎チネチッタ

ラスト30分の涙腺爆破3連発

いやあ、搾り取られたね、涙。

ほんと、オッサンお腹の贅肉震わせながら泣いちゃったよ。特に、観た人にしかわからないように言うけど、「これは管制室の指令ではありません」のくだりと、なんだかんだあの嫌な長官と部下が抱き合って大喜びするシーン。思い出しただけでちょっと目頭。

予告編で誰もが想像する「ゼロ・グラビティ」みたいなソリッドなシチュエーションスリラーかと思いきや、実際はほぼ真逆。かなりウェットな涙腺泥棒ド根性SFだった。こんなもん受け身が取れるわけもなく、2つ隣のソロ活女子にバレるんじゃないかと心配になるほど泣いた。

ストーリーは「たった一人で月から帰還せよ」のコピー通り。月探索ロケットに乗った宇宙飛行士が、途中で仲間を亡くしてたった一人で月でのミッションを遂行しなければならなくなった、という話。

設定だけ聞くと、情緒を重んじる日本人が作れば「孤独感」をテーマにした静かなJスリラーになりそうなもんだが、今やアメリカ人よりド派手好きな韓国人が作るとそうはならない。

開始15分もすれば早速トラブルに次ぐトラブル。一難去ってまた一難。体感10分に1度「嘘だろ?」と思うほどの絶望的な状況に陥り、毎回奇跡のような方法で切り抜ける。「ん?」と思う場面もありながらもハラハラドキドキ。観る側に、息つく暇もツッコむ暇もまったく与えない。

10のツッコミどころなんか、1万の圧倒的な勢いで押し流すパワータイプである。韓国エンタメ、元気だねえ。おれは素直にこの大波に乗って楽しんだ。

とにかく映像(ほぼCGだと思うが)がいい。2029年という”ちょっとだけ未来”な機械類のデザインもよかったし、宇宙空間や月面は「ゼロ・グラビティ」的なあの静寂の恐怖感があった。無重力空間での所作も違和感がなく(頬を伝わず浮き上がる涙とか)リアルだった。ファンタジーではない”現実的SF作品”で心配されるようなB級感はないと思う。

俳優陣は言うまでもないでしょう。主役には名優ソル・ギョングと、今やすっかり本格俳優然としてきたD.O.。キム・ヒエは今まで会った(観た)ことはないけど、ものすごく熱い役だった。

そして極めつけは、ラスト30分にもわたる「これでもか」ってくらいのお涙頂戴シーン。すごいよこれ。「ラストが泣ける!」とかじゃないんだよ。「ラストで泣けた!」と思ったらそれはラストではなく、間髪入れずまた別の泣き所がくる。ようやく涙が引いたと思ったら、また次の泣き所がくる。マイケル・ベイも真っ青な”涙腺爆破3連発”。

ここまでやると若い人は白けちゃう人も多いかもしれないが、ジジイなおれは全部食らって死にかけた。

ちなみに2つ隣のソロ活女子も泣いてた。暗闇だけどバレてるぜ。

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