ジャンル | 伝記 / ドラマ |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2024/7/5 |
上映時間 | 132分 |
鑑賞 | チネチッタ川崎 |
三角関係を描いた「愛憎ドラマ」
ライバルのマセラッティの車も同じ赤だったので、レースシーンはちょっとわかりにくかったよね。それでもレースシーンは最高にテンション上がった。
息つく暇を与えないカメラワーク、サーキットを駆け抜けるスピード感、コーナリングの駆け引き、一瞬でも判断が遅れれば死。1950年代のレースカーってカッコいいなあ。昭和オジサン大興奮!
鑑賞直後の第一声としてはそんな感じ。
エンツォ・フェラーリを主人公にした伝記映画ということで、「若きエンツォが名声を得るまでの成功物語」、もしくは「フェラーリとライバル会社との熱い開発合戦を描く企業もの」を勝手にイメージしていたが、違った。
開業から10年が経ち、既にある程度の成功を収めているフェラーリ社の「転機となった1年(数ヶ月?)」を描いた物語だった。
社長エンツォがレースに傾倒するあまり、それまで飛ぶ鳥を落とす勢いだったフェラーリは倒産の危機に陥っていた。……そんななか、財務担当からは「次のミッレミリア(公道レース)で勝たないと会社は終わりだ」と三下り半を突き付けられる。
「ああ、なるほど! レースに一発逆転を賭けた起死回生スポ根ものね。それは熱いな!」。
と、展開を見抜いた気でいたが、それともちょっと違った。
もっと、なんかこう、エンツォの個人的な物語だった。
あえて平べったい言い方で分類するなら、主人公と正妻と愛人との三角関係を描いた「愛憎ドラマ」かな。この主人公の職業が”有名な自動車会社の社長だった”という程度に見えちゃった、構造的には。正妻ペネロペ・クルスがずっと怒ってた。
俳優が良く(59歳を演じたアダム・ドライバー(40)いいよね!)泣けた場面もあったし、人間ドラマ自体はよかったんだけど、「期待してたのはこれじゃない」感はどうしても打ち消せなかった。これはおれ自身の問題。
ただ、ラスト30分(くらい?)にわたるレースシーンが衝撃的なカッコよさだったので、胸一杯で帰途につけた感じだった。近い将来アマプラ見放題に来たら、この30分だけ部屋でエンドレスで流しときたい。