遺書(ブログ)

見える子ちゃん

投稿日:

ジャンル ホラー / コメディ / 青春 / ドラマ
製作国 日本
製作年 2025
公開年月日 2025/6/6
上映時間 98分
鑑賞 チネチッタ川崎

断言、どんでん返しがある

今日は野球観戦に出かけて贔屓のチームが負けたので、気分転換に急遽「映画を1本観て帰ろう」となった。何でもよかったんだが、上映時間のタイミング的にピッタリだった本作を問答無用でセレクト。

このアイドル映画丸出しのビジュアルと、漫画原作っぽいタイトル(実際そうらしい)、キャスト欄にはストーンズもいる。正直、個人的には本来「一生観ない映画」の棚に入る類の印象だった。予告編も観たことがあるが、明らかにティーン向けっぽかった。

ただ、アイドル映画だろうが漫画原作だろうがスノーマンだろうが、とにかく間を置かず映画の中へ入りたかった。それくらい今日のサヨナラ負けは堪えた。ほんとうに、本当にそれだけの動機。ところがこの作品、

超アタリだった!

これを読んでいる2~3人の人、いい?
これ、50代のオッサンが言ってるんだよ?

学園ものはいっさい共感できない、漫画もよく知らん、イケメンは大嫌い、若手女優は嫌いじゃないが知らな過ぎて気後れする。そんな偏見にまみれた”老害”が心から感じた感想……「なんだこれ、面白い!」は、自分で言うのもなんだけど、結構すごいことだと思わないか。

実際、見立て通りティーン向けに作られていると思う。若い子に人気が出そうな美男美女しかいないキラキラ学園ものだし、ホラー表現も苦手層にかなり配慮して超ライト。劇場内を見渡すと若い世代が多かった。

だというのに、ヤングに混じってオールドだって一緒に楽しめた。ちょっと抽象的になるけれど、これって、ヤングを意識したキラキラな肉付けの中に、オールドも納得できるずっしりと太い骨格が備わっているからだと思う。

監督は中村義洋監督。個人的に”マイベスト邦画”と言っていい「フィッシュストーリー」(2009)の監督だ。もちろん知ってた。でも最近は、悪い意味でビッグバジェットに染まりきった感じがしていて(←個人的な感想)、正直信頼を失っていたところ。「中村監督が戻ってきた!」と素直に喜べた。

中村監督と言えば、「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズとか「残穢」といった”Jホラー監督”の側面(というか出自)があるが、本作はもう一つの側面、「伊坂幸太郎作品の御用達監督」としての中村監督に近いと感じた。

「霊が見える」女子高生が”見えちゃう霊”をやり過ごしながら、ある事件に巻き込まれる――という設定から「ホラー」とひと括りにされちゃうところだが、実際その目線で見てしまうとだいぶ違う。

ホラーというほど怖くないし、ジャンプスケアすらほぼない。その代わり、意味ありげな設定説明に尺を取っている感じ。何か仕掛けてるぞ、という匂いがプンプンしてくる。これはむしろ中村監督が本来得意としていた”伊坂ミステリー”の実写化に近い。霊はたくさん出るけど、物語の構造的には単なる装置にすぎない。

ああもう、言っても問題ないと思うから言っちゃう。
この作品にはどんでん返しがある。これがね、すごく気持ちよかったんだよ。

えっ「どんでん返しがある」もネタバレ?
大丈夫。まだ観てない人は、どうぞ「どんでん返しがある」と構えて鑑賞してください。まったく問題ないから。この真実に、正直オッサンは泣いた。たぶんヤングも泣くと思う。

序盤の「霊が見えないふり」コントも楽しかったし、中盤からのシリアス展開も登場人物たちが一生懸命で応援したくなる、そして、終盤の爽やかなどんでん返しにホロリ。マジのホントにティーンから老人まで楽しめるエンタメ傑作だった。おれは嬉しいよ、中村監督。

現状のPRでは原作ファンか若い人しか観ないと思うので、「偶然観た」ラッキーなオールド代表として、おれには伝える義務がある。

さて、つけ足しになるけれど、主演の原菜乃華ちゃん、古き良きアイドル女優っぽくていいね。オッサン的には、80年代角川アイドル映画原田知世とか渡辺典子)を思い出して懐かしくなった。

ああそっか、そういえばこれも「KADOKAWA映画」か!
中村監督は原菜乃華と組めば”令和の大林宣彦“になれるんじゃないの? そっち路線でいこう。

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