ジャンル | ホラー / アクション / バイオレンス / スリラー |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2020/10/30 |
上映時間 | 89分 |
鑑賞 | アマゾンプライムビデオ |
二度目の鑑賞でも楽しめた
2日前に観た「なんちゃって家族」のエマ・ロバーツが気になって調べたら、出演作リストに「ザ・ハント」も並んでおり、「あれ? 出てたっけ?」と確認鑑賞。3年ぶり2度目。
最初に死んでた。
そりゃ覚えてないわ。既にそこそこ売れてるし、確認する前は心のどこかで「んー、エマが主人公だったっけ」とか「敵の一味の誰かだったかな」と期待したが、まさか例の”瞬殺クイーン”だったとは。
ま、本作の「最大の特徴」といっていいあの意表を突く序盤の展開の、「意表」の部分を担ったキャラクターとして、例の”地雷イケメン”(笑)とともに貢献度は絶大だった。
そうだよね、あの役はある程度の知名度がないと務まらない。エマさん、出演時間は数分だけどグッジョブでした。
それはそれとして、再鑑賞して「序盤の”出オチ”だけじゃない」しっかり面白いサバイバルものだった、と改めて感じた。
「舐めてた相手が殺人マシーンだった」系の亜種という感じかな。まったく目立たなかった女性が中盤からフラッと現れて無双しまくる。ちなみに本作の場合「舐めてた」のは観客だ。
それまでは気にも留めていなかった登場人物(序盤にも一瞬出ていた)がタダ者じゃなかった。覚醒するや、コンビニ老夫婦(老婆が「ストリート・オブ・ファイヤー」のマッコイ)をあっという間に制圧。「しくじったな、このクソババア!」の雄叫びに一瞬で胸を鷲掴みにされたよね。それまで絶望的な描写ばかりだっただけに、ここから始まる反撃の予感にワクワクさせられた。
主人公クリスタルのキャラがとにかく良かったね。「元軍人」という圧倒的な実力差はさることながら、その性格。冷静で頭脳明晰なんだけど、突然キレて敵を罵倒したりもする。危険なシーンではアドレナリンがドバドバで熱い。一方で、平時の喋り方や表情に、何やら精神的な病を抱えていそうな危うさもあった。
何ということはない場面だけど、特にあそこは印象的だった。会話の途中で、何の脈絡もなく野小便を始めるシーン。戦場ではきっと当たり前だったんだろうけど、どこか感覚がズレている。クリスタルの性格を端的に表すのに相応しい行動だった。
ただし、豪邸内でのラストバトルはいまいちスカッとしなかった。個人的な希望としては、あそこは圧倒してほしかったな。
ラスボスのヒラリー・スワンクも8ヵ月鍛えたという話だったけど、「本物の戦場をくぐり抜けた兵士」と「戦場ごっこを楽しむ連中」じゃ、プロ野球と草野球くらいの違いがあるということを最後まで見せつけてもらいたかった。実際、それまでのザコ敵はまるで赤子の手をひねるように倒してきたし、彼らを訓練したという強そうなコンサルタント(戦場未経験)まで子供扱いしたのは、その布石だったんじゃないの?
そこに少し違和感を感じてしまった。「舐め殺(略)」系の見すぎかな。笑
「人違いだった」というオチは、スパイスが効いていてよかった。獲物選定の会議(?)でもう少し集中できていれば、こっちのクリスタルは来なかったのに。最後までツイてなかったね、ヒラリー。
いやあしかし、二度目の鑑賞なのに我ながら随分楽しんじゃったな。そういう意味では自分の記憶力の悪さに感謝する。
この歳になると「3年前」が一番記憶がない。50代あるある。