ジャンル | SF / ホラー / アクション |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024 |
公開年月日 | 2024/9/6 |
上映時間 | 119分 |
鑑賞 | 109シネマズ川崎 |
最上級のモンパニ映画
「エイリアン」シリーズは遠い昔「3」で断念して「4」は観ていない。新シリーズも「プロメテウス」で退屈して「コヴェナント」は観ていない。内容もほとんど覚えていない。
「全作予習してから観よう」と思ってはいたが、気が進まず今の今まで置いてきた。そこを、ここ1週間で「プリシラ」「シビル・ウォー」を観て個人的にフィーバー中のケイリー・スピーニーちゃんに背中を押されて、衝動的にレイトショー鑑賞した。
めちゃくちゃ面白かった。
過去作ぜんぜん関係なかったね。いや、ところどころにあったらしいけど、「あの作品のキャラが出てきた(ニヤリ)」「あの作品のセリフが(ニヤリ)」「デザインがあの作品と同じ(ニヤリ)」程度の”わかる人だけわかればいい”ファン向けサービスにとどまっているのが優しいよ。
どれも知らない人は知らなくていい。まったく覚えていないおれも一切思い出さなくていい。物語的にはどことも繋がっていない、純然たる「密室モンスターパニックアクション」だった。
個人的には割と極端なエンタメ志向なので、制作陣が一生懸命考えているなか悪いんだけど、細かい設定とかルーツとか哲学は正直どうだっていい。
密室の中に恐ろしい怪物がいる。マズイ、殺される。どうやって逃げよう。どうやって倒そう。おお、そうやって逃げるのか! なるほど、そうやれば倒せるのか! よっしゃあ!
……って、モンパニはそういうのでいいんだよ。
「エイリアン:ロムルス」は、まさしく極上な「それ」だった。
序盤はややゆっくりな滑り出しだったものの、中盤にエイリアンと遭遇してからは、最後の最後までずっと危機に次ぐ危機の連続。ありとあらゆる”ピンチ大喜利”が繰り広げられ、そのたびに奇跡のような”正解”でしのいでいく。
主要登場人物のうちキーマンとなるのはアンドロイドのアンディで間違いないんだけど、何気に”守られるだけの存在”のように描かれる主人公レイン(ケイリー・スピーニー)の天才的ひらめきも貢献度が高かったよね。
「それ、凍らせちゃえばいいんじゃない?」
「じゃ、室温を体温と同じにすれば?」
どれも「それ、アンドロイドが思いつけよ」ってアイディアで違和感があったんだけど、敢えてレインに言わせたのはきっと意味がある。
と思っていたら、終盤はレインのひらめき大無双。特に「重力装置の起動」シーンは、思わず「そうだ! それだ!」と劇場の暗闇でつい声が出た。
アンディがいなければ即全滅していたが、レインが生き残ったのも「主人公だから」ではない、説得力のある理由(常人離れしたひらめき能力)があったことに感心した。決してたまたまじゃないのよ。
他のモンパニ映画でも見たことのないような絶望的なピンチと、「その手があったか!」というアイディア溢れる回避法。この繰り返しがずっと楽しい作品だった。興奮した。
主演のケイスピちゃん(初略称)と初めて会ったのがほんの5日前。「プリシラ」のただ可愛いだけのアイドル的女優だと思っていたのが、「シビル・ウォー」の命知らずな戦場カメラマン、そして本作のエイリアンバスターといった汗臭い役柄まで、短期間で両極端を見せつけられた。
wikiによると次作に個人的に大好きな「ナイブズ・アウト」新作の出演が決まっているようで、今度はどんな一面を見せてくれるかワクワクする。
ダニエルの助手役かな? 容疑者セレブ役かな? 悪女役も見たいかも。
こちらも楽しみ。