遺書(ブログ)

スピーク・ノー・イーブル 異常な家族

投稿日:

ジャンルサスペンス・ミステリー / スリラー
製作国アメリカ
製作年2024
公開年月日2024/12/13
上映時間110分
鑑賞TOHOシネマズ川崎

罪深きマカヴォイス

高校時代、まわりが浅香唯だ南野陽子だと騒いでいた頃に、「いや、おれは圧倒的にバングルスのスザンナだね」なんて鼻を膨らませながらイキっていたのを思い出す。ガチリアルタイムなバングルスファンだ。

そういう人間にとっては、名曲「Eternal Flame(ダサ邦題:胸いっぱいの愛)」は飛びぬけて特別であり、聴けばその都度、青春の記憶が拓かれるような、なんていうか、とても大切な曲なんである。誰でもそういう曲ってあるよね。おれにとっては、この曲がそれ。

何が言いたいのかというと、
「この曲をそんな使い方するなー!」
……というクレームである。

意図があるのかないのか、ジェームズ・マカヴォイ演じるパディが、この曲を野蛮な声で爆唱する場面が何度かあるんだが、それが意外とイヤだった。マカヴォイの歌声、すなわち”マカヴォイス”には、ビックリするほど負のインパクトがあった。

うん。それくらいかな、この作品への文句は。

いやあ、めちゃくちゃ面白かったね。

春頃に公開されて評判がよかった(?)「胸騒ぎ」のリメイクだということは知っていたけれど、敢えて予習などはせずに初日のレイトショーで鑑賞した。いいね、これ。

序盤から引き込まれた。

ベンとルイーズの主人公家族にマカヴォイ家族がやたらと距離を詰めてくるんだが、このマカヴォイが最初っからMAXで不愉快。粗暴だし、初対面なのに馴れ馴れしいし、声がデカいし、娘にベタベタ触るし。本当に嫌い。

ホラーを観に来ている観客(=おれ)からすれば、絶対近づいちゃいけないタイプだと一目でわかるけど、これが映画の中であることを知らないベンとルイーズは彼らを無下にもできない。

気持ちはわかる。度合こそあれ、こういう奴ってどこにでもいる。言うことなすこと何から何まで気に障るんだけど、悪気はなさそう。「まあ、とりあえず乗ってあげとこう」となる。

このマカヴォイのキャラが絶妙だったよね。こういう奴って、時々ちょっといい事言ったりするんだよ。「もう我慢できない」と「ま、いいか」の行ったり来たり。で、「現状維持」を選択してしまう。

まあ予想通り、この”気の許し”が後々大変なことになるんだけど。

中盤からはもう、ハラハラドキドキの連続。ハッキリ言って展開は読めていたし、いま観ているシーンはどれも想像通りではあったんだけど、演出がよかったのかな。

気づくと手に汗握っていたし、心の中で「そこだ!」「やばい!」「そっちはダメだ!」「いまだ!」「いけ!」と応援してた。主人公たちに入り込みすぎて、ラストのあのシーンではちょっと泣いちゃったもんね。

他のレビューなんか見ると、「胸騒ぎ」とラストが変更されている的なことを言っている人を見たけど、どうこれ? いい変更だった? それとも悪変?

まあいいや、しばらくしたら自分が逆に「胸騒ぎ」オリジナルを観てみよう。

それにしても、エンドロールでまた「Eternal Flame」オリジナルが流れたんだけど、心なしかスザンナの美しい歌声に、あの粗暴なマカヴォイスが重なって聴こえてしまったな。

作品は面白かったけど、この罪は重いぞ。

👇 気まぐれでいいので全部押して💕
にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画備忘録へ 全般ランキング

-遺書(ブログ)
-

Copyright© R50(仮)-アールフィフティカッコカリ- , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.