ジャンル | アクション / バイオレンス / サスペンス・ミステリー / ドラマ |
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製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023 |
公開年月日 | 2024/12/27 |
上映時間 | 156分 |
鑑賞 | チネチッタ川崎 |
キャラ立ち激シブ復讐バイオレンス
よく行く映画館で何度か予告編を観て、公開を待っていた。
全身タトゥーのワイルドな女主人公、スタイリッシュなアクション、容赦ないバイオレンス、予告編には自分の好きな要素が片っ端から詰め込まれていた。気になって調べると、原作は「このミス」の1位を受賞したベストセラーのミステリーらしい。お話もしっかりしてそう。
ブレイクしそうにない邦題にもかかわらず配信スルーされなかったことも含めて、期待値は爆上がり。満を持して観に行った。そして鑑賞後最初に出た感想はこれだ。
長い!
駐車場無料サービス時間をオーバーしちゃったじゃないか!……って、それはまあいい。この題材で上映時間156分はいくらなんでも長すぎた。
いや、テイスト自体は鑑賞前の期待通り好きな映画だった。
カルト教団に元妻を殺され愛する娘を誘拐された刑事が、元信者の女性とともに、地獄の果てまで追い詰めていく話。どこかで見たような展開だけど、大好きなフォーマット。
主人公の2人がめちゃくちゃカッコいんだよ。
まず刑事ボブを演じたニコライ・コスター=ワルドーが激シブ。敬虔なクリスチャンで、現場経験のない事務方の刑事という”寂れた草食系ジジイ”然としていたボブが、徐々にワイルドに目覚めていく。中盤からはステイサムばりの無敵のヒーローだったもんね。最初と最後ではまったくキャラが違うのに、それに気づかせないグラデーション演技がすごい。ニコライ・コスター=ワルドー、知らない名前だったけど覚えておこう。名前、覚えにくい。
そして何より全身タトゥー女、ケースのキャラが期待通り大ツボだった。演じるマイカ・モンローといえば、ホラー界隈では名作「イット・フォローズ」で”それ”からひたすら逃げ回るか弱いヒロインの印象が強かったけど、本作では真逆。心に深い傷を持ち、よく言えば恐れ知らず、悪く言えば自暴自棄に、危険や恐怖の対象から逃げずに立ち向かっていく。惚れた。
彼女の過去がかなり切なくてね。そこもいい。「ケースがボブを手伝う行動原理が薄い」という意見もありそうだが、おれはあれで十分だと思う。
この主人公コンビのキャラと、「こいつを信じていいのか?」「いや信じるしかない」そして「こいつしか信じられない!」へと変遷する絶妙な信頼関係が本当によかった。
「全国の中二病オヤジよ! これは当たりだ!」
と叫びたくなるほど興奮した。ラスト30分までは。
いやあ、長かった……ラストが。
「これで終わりか?」と思ったら次の展開、「今度こそ終わりか?」と思ったら次の展開、これが3~4回繰り返された。暗闇でつい「しつこい!」とツッコんだぞ。
もちろん、振り返れば、回収されていない部分を補足する必要不可欠なエピローグ集なんだけど、とってつけた感が強く印象に残ってしまった。もっと上手く処理できなかったもんかな、と思った。
あとは毒蛇に襲われるくだり、あれ必要だった? この重厚な作品の雰囲気に似つかわしくないチープさだったけど。僭越ながら、一日で回復(笑)するくだりも含めて全カットでよかった気がする。
でもまあいっか、来年はヘビ年だし。縁起物ということで。
おそらくこれが今年最後のレビューでした。
みなさん、よいお年を。