ジャンル | ホラー / アクション / スリラー |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2021 |
公開年月日 | 2021/9/24 |
上映時間 | 66分 |
鑑賞 | アマゾンプライム |
やっぱり”世界の伊澤沙織”がいないとダメなのか?
「ベビわる」が好きで「国岡」(2019)以降の阪元裕吾監督作品はすべて観たけど、比較的近作にもかかわらず、飛び抜けてクオリティが低く感じた。
阪元監督のウリのひとつでもあるアクションシーンも、今回はかなり稚拙に見えた(個人的意見)。”当てない”パンチとキック、効き目が軽そうな攻撃。完全に「空手の型」。ケンカダンスだった。
いち阪元ファンとしては、
「やっぱり”世界の伊澤沙織”がいないとダメなのかな?」
なんてイヤミのひとつも言いたくなってしまった。
監督の他作品を観て、キャラ作りの巧さ、会話シーンの可笑しさ、独特の間、現実とファンタジーの絶妙な線引き、そしてアクションのイメージ力、全てにおいてとても優れた若手監督だといつも感心する。
ただ、どの作品も予算がないのが丸見え。
監督の友人や売り出し中のアイドルを主人公に据え、ときには製作スタッフも主要登場人物として演じたりする。BGMもフリー素材のような音楽。撮影・音響機材も良くないのか全体的に暗いし、大事なセリフも拾えてなかったりする。
これでは、どう工夫しても画面がチープに見えてしまう。
演出の切れ味は感じても、残念ながらメジャー感とは程遠い。
もうね、ホントのマジで才能があるのは間違いないんだから、日本映画界もそろそろこの監督に大きくベットしろよと本気で思う。
大きな予算を使って、一流役者と、一流器材と、一流スタッフ(できれば一流脚本家も)を付ければ、とんでもない名作を作るんじゃないかと思っている。言い過ぎかな。いや、絶対いける。
みんな大好き「ベイビーわるきゅーれ」シリーズのヒットでメジャー監督へ王手がかかっている気もするが、あれも正直インディ感は拭えていない。(「いや、メジャー監督なんて目指してないから」なんて言ってくれるなよ?)
おっと、ほぼ「黄龍の村」の感想でなくなってきているが(今気づいた)、要するに、
「阪元裕吾監督の未来と、阪元監督という才能に賭けようとしない日本映画界が、少しだけ心配になる作品(の出来)だった」
ということで。
9月公開の「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」は楽しみ。