ジャンル | サスペンス・ミステリー |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2007 |
公開年月日 | 2007/6/16(リバイバル上映2025/2/7) |
上映時間 | 108分 |
鑑賞 | キネカ大森 |
ローリングエンタメ
「なぜか配信されない名作」としてよく名前が挙がる作品が初のリバイバル上映。貴重な機会を逃すまいと、少し足を延ばしてテアトル系へ観に行ってきた。
これ、本当に好き。
二度目の鑑賞だけど、15年以上ぶりなのでいい塩梅で記憶が抜け落ちていた。さすがにあのラストは忘れようがないけれど、そこに至るまでのあれやこれやはスッポリ脳内消失した状態。オチだけは見えていたので、伏線散布フェーズから集中できて、むしろ初見よりも楽しめたんじゃないか。
カチューシャ、手紙、デブッチャーetc…
伏線はほとんど見逃さなかった。それでも「やっちゃん」はビックリした。やっぱりすげえなあ、これ。
自殺したアイドル・如月ミキの一周忌に集まったファンの男たちが彼女の自殺の真相に迫っていく密室劇。
ジャンルは「ワンシチューエーションコメディ」とか「密室会話劇」とか「安楽椅子(的)ミステリー」とかいろいろ当てはまるが、そんなありきたりな枠にはめて陳腐化したくないので、総括して「神がかり脚本映画」と呼ぶ。
「神がかり」は大袈裟?
いや個人的には、ジャンルは違うけど、ハリウッドの神がかり脚本映画「ソウ」にも対抗しうる超緻密な脚本だと思った。ハリウッドはリメイク権を買い付けた方がいいんじゃないか? それはさすがに大袈裟か?
今や大脚本家となった古沢良太自身も、これ以上の脚本は二度と書けないでしょう。
登場人物は5人きり、舞台はビルの一室からいっさい動かないのに、会話だけで二転三転、四転五転する真相。細かくいえば六転七転くらいしたかもしれない。結果的には全部ひっくり返っちゃうんだけど、全部キッチリつじつまは合わせてある。これがいちいち気持ちいいの。転がるエンタメ。ローリングエンタメ。
特にラスト30分、一同があることに気づいてから一直線に真実へと収束していく展開で、サウナ後の水風呂のようにととのった。(当方サウナ狂)
エンドロールもよかったね。
たぶん「映画史上、最も歌唱力の低いエンディングテーマ曲」。切なさだか可笑しさだかわからない、意味不明な涙が出たよ。
物凄く影響力のある大御所評論家の酷評でFilmarks評点にも多少の影響が出ている感があるけれど(実際聴いてきた)、素直に、文句なしに他人に勧められる傑作だと思った。大丈夫、体感95%が好きになる映画。
ところで、劇場の入場者特典で登場人物のチェキ型カード(たぶん5種類)が配られていたんだが、見事お目当ての「スネーク(小出恵介)」を引いた。
まだまだ大きな声では言えないが、おれは俳優・小出恵介の大ファンである。がんばれ(小声)。



