ジャンル | ドラマ |
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製作国 | 日本 |
製作年 | 2025 |
公開年月日 | 2025/4/4 |
上映時間 | 126分 |
鑑賞 | チネチッタ川崎 |
まさしく千賀の「お化けフォーク」のようにズドンと落ちた
邦画を劇場鑑賞する際は念入りに情報を調べてからチケットを買うんだが(地雷ジャンルが多いため)、本作に関しては情報が軒並み「事前情報を入れずにさっさと観ろ」だったので、耳をふさいで近所のシネコンへ行ってきた。
「片思い世界」というタイトルが(恋愛映画っぽくて)若干気にはなったが、漫画原作ではない坂元裕二オリジナル脚本で、旧ジャニも橋本環奈も出演してないし、まあ大丈夫でしょう。……そして鑑賞した結果、うん、大丈夫だった。
それどころか、かなりぶっ刺さった。登場人物たちに共感して、感情移入して、腹筋が割れるほど泣いた。まんまとやられちゃった。
同年代のオッサン映画ファンの皆さん、安心してください。
これ、我々が吐くほど苦手とする”キラキラ恋愛邦画”じゃありませんよ。
あらすじと予告編、ジャケのルックからはまったく想像できない展開。鑑賞した誰もが言う通り、これはたしかに「事前情報を入れずにさっさと観ろ」な作品だった。この言い方自体がネタバレになってしまうんじゃないかと思うほどに。
だって、パッと見はあれっぽいじゃない。「海街ダイアリー」? 観てないけど。
エモい風景や主人公たちを温かく取り巻く環境の中で、ほっこりエピソードや泣きのエピソードを淡々と綴っていく類の、胃に優しい作品っぽい。広瀬すずを含めた3人主人公っていうのも、それを連想させるには十分なシチュエーションだよね。観てないけど。
きっと、その「連想」も仕掛けの一つなんだろうけど、まんまとやられたね。まっすぐなワケがない。変化球も変化球、まさしく千賀の「お化けフォーク」のように、ストレートの軌道から打席の手前でズドンと落ちた。
おっと危ない。これくらいか、ネタバレなしで語れるのは。
要するに、フレッシュな主演陣(広瀬すず・杉咲花・ 清原果耶/横浜流星)にもかかわらず、カピカピの50代オッサンだってがっつり刺さる非常に的が広い作品だった。さすがっす坂元裕二先生。
もはやおれにできるのは、右に倣って例の申し送り事項を伝えるのみだ。
いいから黙って「事前情報を入れずにさっさと観ろ」。


