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ジャンル 青春 / サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 2025
公開年月日 2025/6/13
上映時間 127分
鑑賞 チネチッタ川崎

おフザケのない『サマータイムマシンブルース』

ジャケのルックと序盤の展開は、キラキラの学園青春恋愛ドラマ。ところが「そういう映画でない」という情報は事前に取得済み。

大評判の「国宝」でもなく、昨日封切りの「ドールハウス」でもなく、今夜のレイトショーにこの作品をチョイスしたのは、やっぱり脚本をヨーロッパ企画上田誠が担当しているところが動機として大きい。ヨーもの、好きなんだよね。

原作はもともとタイムリープもの(?)。これを、一生タイムリープのことばかり考えている上田誠が料理するっていうんだから、どうしても期待しちゃう。

その期待通り、相当にオタッキーで複雑な構造のタイムリープものだった。文字通り”一筋縄ではいかない”。途中、「あれっ? アレとアレはどうだったんだっけ?」なんて立ち止まって考えていると置いていかれるテンポのよさ。

設定は荒唐無稽でも、コメディ演出は抑えめの割と真面目なミステリー。「おフザケのない『サマータイムマシンブルース』」ってところだった。

いや、面白かったなあ。

オッサン的には”全編尾道ロケ”っていうのが最高のスパイスだったよね。

尾道を舞台にした名作「時をかける少女」(1983)は割と最近見直したということもあり、「この辺もずいぶん変わっちまったなあ」なんて、まるで故郷を眺めているような感覚になった。

尾美としのりも教師役で出演しているし、「ゴローちゃんは地元で教師になったのかな?」なんて楽しい妄想もできた。(役名を調べてみたら「細田先生」となっており「そりゃそうか」とガッカリ。役名を「堀川先生」とするくらいの遊び心も欲しかったな)

ところで、主人公・美雪(池田エライザ)の実家って、「時かけ」でカズオが住んでいた深町家だったりしない? 玄関と庭の感じに既視感がある。誰かロケ地ガイドをまとめてほしい。そして尾道、死ぬまでに行ってみたい。

閑話休題。

まあロケ地はともかく、お話がとにかく面白かった。

「伏線」とか「回収」とか「どんでん返し」といった飛び道具だけに頼らず、単純に「おお!真相はそういうことだったのか」という驚き。中盤までは複雑で頭の中がゴチャゴチャっとしていたのが、終盤にちゃんと”整理シークエンス”があり、脳の回転が遅いオッサン(=おれ)でもちゃんとスッキリ理解できる親切設計。

見た目でバリバリ若者向けかと思いきや、「時かけ」オマージュといい、オッサン人気の高いエライザ主演といい(おれも大好き)、尾道の古き良き街並みといい、間違いなく裏ターゲットはおれ世代(50代)だなと感じた。ストライク。

細かいけど、役名が「美雪(主人公)」「保彦」「玲子」「茂」「友恵」「敬子」「晴子」といった昭和的な名前ばかりなのも狙いなんだろうね。(これって原作通り?)

制作者の目論見通り、劇場内は同年代が多かった。隣のおじさんはなぜか泣いてた。

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