ジャンル | アクション / ドラマ |
---|---|
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2025 |
公開年月日 | 2025/6/27 |
上映時間 | 155分 |
鑑賞 | 109シネマズ川崎(IMAX) |
こういうのがいいんだよ!
もしも自分主催の「おれデミー賞」(極エンタメ寄り)なるものがあるならば、今年度の作品賞はこれで決まった。下半期はノミネート不要。おれデミー賞的にはこれを超えられる作品は今年きっと出ない。
ここ数年で一番興奮したエンタメ大作だった! 座席前のめりで熱くなった! 電気椅子ほど痺れた! ハンカチが雑巾になるほど泣いた! 最高!
ストーリー的には何のヒネリもない超超超王道のスポ根ムービー。よく言われる「こういうのでいいんだよ!」じゃない。おれにとっては断然「こういうの”が”いいんだよ!」だ。「おれデミー賞」(極エンタメ寄り)主宰のおれが一番好きな具材が全部入ってた。
おれね、「メジャーリーグ」(1989)がオールタイムベスト5本の指に入るほど好きなんだけど(円盤はなぜか2枚所有)、まさしくこれは現代版のこれ。
身売り寸前のポンコツF1チームに、元F1レーサーで今は落ちぶれた超ベテランが引き抜かれてくる。そこには悪環境に燻っている若き天才ドライバーがいた。
もうこれ「メジャーリーグ」でしょう! ソニー(ブラッド・ピット)が「メジャーリーグ」でいうところのトム・ベレンジャー、JP(ダムソン・イドリス)がチャーリー・シーンだ。この構図が見えたところで目の奥がグッと熱くなった。
天才JPもクソ生意気だし、ベテランのソニーも荒くれ者だから、当然最初はバチバチやり合うのもお約束。「このクソ若造!」「クソジジイ!」とお互い罵り合いながら切磋琢磨していく展開か、と思ったところで、レース中(自分も走っているのに)、ソニーの「JPは今何位だ?」の無線で背中からゾワッと鳥肌が立った。そして
「よし、このレースはポイントを取りにいくぞ!」
で「よっしゃあ!」と大声が出た(心の中で)。
ドライバー同士の戦いになりがちなレース映画で、「レースってのはチームスポーツなんだ!」という宣言に聞こえて、なんだか嬉しくなった。オーナー(ハビエル・バルデム)やテクニカルディレクター(ケリー・コンドン)、ピットクルーに至るまで、しっかりスポットが当てられていたよね。
あのベテランならでは(?)の掟破りな作戦は、めちゃくちゃズルい(笑)けど、めちゃくちゃカッコよかった。常識はずれな作戦でポイントをゲットしたJPと、見事それに応えたJPに感心するソニー。ここから徐々に2人の信頼関係が構築されていく……という序盤。
なにこれ、どっかで何度も見たことある展開。しかし何度見ても心が震える展開。ハッキリ言ってほぼポルノだ。エンタメがエロだとしたならば、これは「ほぼAV」といってもいい。ドラマパートはほどほどに、本番シーン(レースシーン)はかなり多め。了解、この喩えもうやめます。
他のレビューでもコスられまくってるけど、とにかく映像がもの凄い。車載カメラをはじめとして、ドライバーの表情を映すCCD、超高速ドローン、ピットカメラに中継映像、それらがマシンの爆音とともに五感を埋め尽くす。4DXでもないのにカーブで首がGに引っ張られる。300kmの風圧を感じる。クラッシュシーンでは痣のひとつでもできてるんじゃないかと錯覚した。まさしくマシンを運転しているような感覚。いや、実際「乗ってた」。乗ってたし、飛んでた。一晩を経た今でも、思い出すと後頭部がジンジンする。興奮したなあ。
思えばちょうど1年前の「フェラーリ」にも、これを期待して劇場に行ったんだよな。なあマン(監督)、おれが観たかったのはこれなんだよ。
怒涛の序盤から、急展開の中盤、そして興奮と感動のラストまで、155分の長尺(えっ、そんなにあったの?)でも、つい「もっと続け」「頼む、終わるな」と祈っちゃうくらいの、たいへん幸せなエンタメ時間だった。
F1に詳しくない老若男女誰にでもオススメできる、まさしく傑作アトラクション。最後にもう一回言う。
映画はこういうのがいいんだよ!
#ブラッド・ピット #ダムゾン・イドリス #ハビエル・バルデム #ジョセフ・コシンスキー
👇 気まぐれでいいので全部押して💕

