ジャンル | ホラー / スリラー / ドラマ |
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製作国 | イタリア=アメリカ |
製作年 | 2018 |
公開年月日 | 2019/1/25 |
上映時間 | 152分 |
製作会社 | アマゾンプライム |
「アート的すぎてよくわからん。嫌い」
「MaXXXine マキシーン」熱がいまだに冷めやらず(試写会と封切り後、2度鑑賞した)、あらためて「X エックス」「Pearl パール」と続けて観た。そんな中でアマプラのオススメに挙がってきたのが本作「サスペリア(2018)」。
「X」シリーズのミア・ゴスも出演する本作は、もちろん既に鑑賞済み。ただし、前に観たのは「X エックス」(2022)以前、すなわち自分がまだ「ミア・ゴス信者」に目覚める前のことで、当時のミアに関しては「なんか最近よく見かける地味女優」という程度の認識だった。むしろお目当ては、チョイ役で共演するクロエ・グレース・モレッツちゃんの方だったね。
初めて鑑賞した当時の感想は、ぶっちゃけこう。
「アート的すぎてよくわからん。嫌い」
出演者もクロエ以外はよく知らん。劇中の前衛ダンスの良さがわからないから退屈。セリフ一つ一つがボソボソで記憶に残らない。オチもよくわからん。っていうか覚えていない。なんというか、「嫌い」という感情しか覚えていない。
要するに興味を持って観ていられなかったんだろうね。ちゃんとラストまで観たかどうかも、今となっては疑問。
そんなおれだけど、あれから数年を経た今はきっと違う。
今やド強火のミア・ゴス信者だし、当時はよく知らなかった主演のダコタ・ジョンソンも、今となっては鑑賞映画の常連。そして監督は、もはや「巨匠」の地位に片足を突っ込んでいるオシャレ監督ルカ・グァダニーノ。
当時の感覚ではまるでパッとしなかった作品詳細欄も、いま改めて眺めると「なんて豪華なラインナップなんだ!」と心からワクワクする!
そうだ、このワクワクのままもう一回観てみよう!
絶対に見え方が変わってるはずだ!
観た!
そして2度目の感想!
「アート的すぎてよくわからん。嫌い」!
……だった。変わらず。
何なんだよ、これ。劇中のダンスと同じで前衛的すぎるだろ。いや、ちゃんと観たよ。今回は自らすすんで「理解しよう」と前のめりでちゃんと観た。そのうえで、よくわからん。嫌い。
セリフが難解すぎるんだよ。ことごとく意味ありげなセリフだったり描写だったりするんだけど、その場では何一つ意味が分からない。後から「なるほど、あれはそういう意味だったのか」と判明することもあるにはあるが、おれの脳ではそんなのほんの一部。
実は、その大半に深い意味なんかなくて、「こういう画ヅラが撮りたい」「こんなキモイ動きを見せてやりたい」といった”ビジュアル先行“で、あってないような物語を当てはめたんじゃないか?……なんて穿った見方をしてしまう。
まあ、それならそれでいいんだけどね。
それがアートだ。
ただ、ホラー映画にエンタメを求めるオッサン(=おれ)は「ターゲット外だった」と諦めるしかない。おれが悪い。
それでも、前回観た数年前と明らかに見方が変わった点はあった。言うまでもない、ダコジョとミア・ゴスだ。
お馴染みのこの2人の女優が出ずっぱりだったということだけで(ストーリーは意味不明でも)ずっと観ていられたし、「今とはなんか違う」7年前の彼女らの役作りや表情も堪能できた。
特にミア・ゴス。
ミアって今ではすっかり「マキシーン」だよね。「パール」だよね。「ガビ」(「インフィニティプール」(2024))だよね。「ケバいメイクがよく似合うサイコな狂女」ってイメージだよね。
ところがね、この作品では真逆。
ミア演じるサラは、明るくて優しくて、素直で聡明で、化粧っけはなく眉毛はある、ある意味でクセのない優等生。つまり、ザ・「主人公の親友役」ポジション。言葉を選ばずに言うと、主人公ダコジョの見事な引き立て役。
この頃(2017~18)は「EMMA エマ」や「マローボーン家の掟」で当時アイドル女優のホープだったアニャ・テイラー=ジョイを大いに引き立てていたのが思い出される。今では超”クセ強女優”ミア・ゴスも、「元々はこんな風にクセを消した地味な役作りもできちゃうんだよな」と再認識できた。
今やクリストファー・ノーラン監督作への出演も決まり、「スター・ウォーズ」シリーズ最新作の主要キャラ(悪役?)にも抜擢されたというミアだから、もう二度と「引き立て役」には戻らないと思うけどね。
そう考えると、「ミア・ゴス史」的には貴重な作品だったといえる。
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