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市子

更新日:

ジャンルサスペンス・ミステリー / ヒューマン / ドラマ
製作国日本
製作年2023
公開年月日2023/12/8
上映時間126分
鑑賞アマゾンプライム

意外とエンタメ

社会の闇に一石を投じちゃう是枝風ヒューマンドラマかな、と身構えての鑑賞。ところが意外とサスペンス色が強く、実質的な主人公・長谷川の目を通しながら、最初から最後まで楽しめた。

もちろん、内容は重く壮絶なんだけど、失踪した市子の行方を追うとともに、その過去が一枚ずつ見えてくる構成は(この言葉が適切かどうかわからないが)ちゃんとエンタメだった。

誰もが絶賛するように、杉咲花がすごい。

同僚に「将来ケーキ屋になろう」と誘われて泣きそうになるシーン。
「俺が守ってやる」と言い切る北くんへ、身勝手を知りながら「お願い、もう関わらないで」と懇願するシーン。
妹の生命維持装置を切るシーン。
長谷川との写真を涙目で見つめるシーン。
そして長谷川からのプロポーズを受けるシーン。(二度目)

全部もれなくもらってしまった。おっさんボロ泣き。

あの表情は杉咲花じゃない。完全に壮絶な人生を背負ってきた市子そのものだった。

日本アカデミー賞では最優秀主演女優賞を逃したようだが、演技を絶賛するレビューがこれだけ並べば、あんなくだらん賞なんかいらないよね。

そもそも「怪物」の安藤サクラってそれほど主演女優だったか?
などと投げかけつつ締める。

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