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「キャッシュトラック」 (2021)/邦題が恥ずかしい

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予告編の雰囲気とタイトルのダサさで、勝手にステイサム主演のアクションコメディだと決めつけていたら、笑いはゼロの完全ハードボイルドアクションだった。ジャケをよく見たら「キャッシュ・トラック」って邦題だったのね。完全に日本語英語じゃん。恥ずかしー。

ただしその誤解に気づいてからはちゃんと楽しめた。物語もただの脳筋アクションじゃなくて、意外と複雑な構成。時系列を行ったり来たりしながら、主人公はいったい何者なのか、犯人はどんな奴らなのかを徐々に明かしていく。

まあ、その割にはストーリーは穴だらけなんだが、そこは「ステイサムービー」。ジェイソン・ステイサムがカッコよく暴れるシークエンスさえ充実していたらオールオッケーなのだ。

世界一カッコいいハゲ。御年53歳(撮影当時)とは思えないキレッキレの動き。肉弾戦はもちろん重火器使いも完璧。

アクションだけでなく、ベテラン俳優としても、息子を殺された男の悲壮感を漂わせながら、一切手加減のない恐怖の復讐者の姿を見せてくれた。ラスト、真犯人への復讐の遂げ方も、地味だけど粋だった。

決して心に残るものではないが、「ジェイソン・ステイサムのアクション映画」としては満足できる作品だった。

最後にもう一度言うが邦題が恥ずかしい。

どうせステイサムの新作というだけで価値はあるので、そのまま「ラス・オブ・マン」でよかったし、主人公の異名をとって「H」でもインパクトはあった。

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