遺書(ブログ)

ビリーバーズ

更新日:

ジャンルバイオレンス / エロス / サスペンス・ミステリー / ドラマ
製作国日本
製作年2022
公開年月日2022/7/8
上映時間118分
鑑賞Hulu

おじさん鑑賞者にとって俳優・宇野祥平は危険人物

カルト教団の恐ろしさに切り込むというよりは、「カルト教団の修行」という禁欲的な状況で、欲(90%性欲)と戦う男女3人の可笑しさ・馬鹿馬鹿しさを描くブラックコメディととらえた。

北村優衣の体当たりっぷり(体当たりという言葉では済ませられないほど)や、磯村勇斗の憑依演技はもちろんのこと、彼らを食う勢いの宇野祥平のドはまりっぷりが印象に残った。

もう、「この役をやるために俳優になった」といってもいいくらいの存在感。この手のカルト信者を演じさせたら天下一品だね。

序盤はただ理不尽な行動をとるだけじゃなくて、そこには”信じる者”なりの理屈が通っていた。気持ち悪いけど意味は分かる。要するに、ほどよく気持ち悪い。リアル。

しかし、そのほどよいバランスも、中盤の外敵登場から狂っていく。教祖を信じきって凪のように静かだった精神が、いとも簡単に崩壊していく様子が見ものだった。

画面の外側から観ていると、「うわキモ」「その理屈は狂ってる」「ヤりたいだけじゃねえかよ!」と冷静にツッコめるが、自分が議長の立場だったらどうなんだろう。

こんな無人島で、これまで3人力を合わせてストイックに修行を続けてきた。自分もずっと我慢してきた。仲間も我慢しているんだから議長である自分こそ頑張らねばと歯を食いしばっていた。それなのに、自分以外の男女が目に余るほどイチャイチャしはじめた。バランス崩壊。

おれはおじさんなので、どちらかというと宇野祥平に感情移入してしまう。

はたして、いま鼻をほじりながらツッコんでいるだけの自分は、あの立場で理性を保っていられるのだろうか?

……と思考しようとして慌ててやめた。

おじさん映画ファンにとって、俳優・宇野祥平は危険人物。

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