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趣味「ヴィンテージ文庫」

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おれには、おそらく日本でおれだけが楽しんでいる非常にコアな趣味がある。

その名も「ヴィンテージ文庫」だ。

カバーを取った文庫本を、サウナや風呂に持ち込みボロボロに育ててその姿を愛でるという、常人からしたら理解不能な趣味だ。

おれはここ3年、ヴィンテージ文庫を何冊も作っては、「表紙の色落ちがうまくいった」だの「ページのよれ方がいまいちだ」だの、一人で一喜一憂している。

この「ヴィンテージ文庫」は、わかりやすい例えでいえば「ダメージジーンズ」に近い。
新品のジーンズにさまざまな負荷を与えて、まるで何年、何十年も使っているような風合いを出すことを目指す。

それの「文庫本」版だと思っていただければ理解しやすいと思う。
思えば、あれも「育てる」と表現している。

ヴィンテージ文庫の育て方は、サウナと風呂でひたすら「読む」こと。
ただ持っていくだけでは駄目だ。
1ページ1ページめくって「読む」ことが重要なのだ。
こうして全てのページに“ダメージ”を与えていく。

お湯に濡れても、ページに汗がしたたり落ちても気にしない。むしろその1滴1滴が味になる。

だいたい通算5時間ほどで、まるで10年使い続けたような経年劣化を楽しむことができる。

湿気と熱により、内表紙はぼろぼろになり、ページはよれ、全体的に黄色く変色する。

完成である。

写真のヴィンテージ文庫が、今のところおれの最高傑作である。
しかも、見ていただければわかる通りサイン入り

2年ほど前、ちょうど作者の伊坂幸太郎氏にお会いすることができたので、幸運にもサインしてもらえた。最高のヴィンテージにしてお宝だ。

これも、おれがこの趣味を人知れず続けてきた賜物である。

3年間で作り続けた「ヴィンテージ文庫」は、すでに30冊ほどある。

1冊1冊に、思い入れと、文字通り”汗”が染み付いている。

誰にも知られず、誰にも認められず続けてきたが、そろそろ誰かに褒めてほしい
いや褒めてくれなくても、せめて”知ってほしい”

こんなアホなことをやっているアラフィフが、確かに存在する。

その想いで、誰も読まれないこのブログに書きしたためた次第である。

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