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深大寺天然温泉 湯守の里

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おととい、念願の「江戸東京たてもの園」に行ってきた帰り、位置的に車で20分程度とほど近いということで「深大寺天然温泉 湯守の里」に寄ってきた。

ここに行くのは初めてだが、実は「深大寺天然温泉 湯守の里」には小さな因縁がある。

2016年10月だからもう2年4ヶ月も前になるが、タウン情報サイトで「日帰り温泉記事」を書いたときのこと。

当時毎週のように様々な温泉を“日帰りまくっていた”おれとしては、最も自信のある分野だった。

それを知っていた担当者から電話で「オススメありますか」と聞かれたので、おれはマニアの威信を賭けて神奈川県矢向の「縄文温泉 志楽の湯」を勧めた。

ここはね、古民家のような建物を再利用して作られていてムードは抜群。浴室には岩と木と竹しかないんですよ。有名なお風呂クリエイターが設計したらしいです。泉質もいい。お肌スベスベですよ。私もいろいろ行きましたがここに敵う日帰り温泉は……

公式サイトを見ながら早口でプレゼンするおれ。
どうだ、この仕事をおれに振って正解だろう。
自分の顔は見えないが、そこに鏡があったならそこには相当ドヤ顔したおれが映し出されていただろう。

すると、それを黙って聞いていた担当者は驚くべきことを言った。

なかなかよさそうですね。でも調布市の深大寺温泉には敵いませんよ」

「しんだいじおんせん」? 聞いたことがない温泉だ。

正しくは「深大寺天然温泉 湯守の里」といい、サイトを見ると、おれの「志楽の湯」と同じようにムード重視でファミリーに不向きのソロ客好みの温泉だった。

そう、なんと担当者も日帰り温泉マニアだったのだ。
おれとは違うエリアで、彼もまた“日帰りまくっていた”

ここもですね、古民家風の建物で雰囲気がいいんですよ。しかも風水的に設計されていて運気もアップしてくれます。泉質は同じ感じですかね。でもこちらはかけ流し。僕もいろいろ行きましたが……(以下同)

ムムム、あちらも一切引く気はない。

「いやいやいや、志楽の湯は……」
「でも深大寺温泉のほうが……」
「行ったことないじゃないですか」
「そっちだって」

そんなミニコント的なやりとりをある程度楽しんだあと、

「まあ、お互い譲れないオススメが別エリアにあってよかったじゃないですか。両方採用で!」

と、担当者の大岡裁きで打ち合わせは締めくくられた。

さて、得意分野だけに原稿の方はすぐに書けた
女性読者の多い媒体だから、いつものように女性目線で書いた。
ちなみにクレジットの「ホンマ早紀」とはおれである。(ホン[ダ]マサキ→ホンマサキ)
全4スポットで、しれっとおれ推しの「志楽の湯」をトップにして納品

こういった「◯選」記事は、圧倒的にトップが有利だ。
スポットを探す読者は上から順に読み、自分の目当てが見つかればそこから下はまず読まない。
したがって、記事のトップには必ず“イチオシ”を置いておく。

そしておれにとってのトップは、実際に何度も訪れていて、原稿にも力が入った「志楽の湯」だった。しかし、

公開時に「深大寺温泉」がトップにすり替わっていた。

「いやいや深大寺温泉の方が引きありますから」
「いやいやいや、志楽の湯の方が……」

ミニコント第二回戦である。

「じゃあ行ってみてくださいよ」
「ああわかりましたよ!絶対に行きますよ!」
「そんなこと言って行かないくせに」

などともう一度電話で戯れながら、おれの目は実はメラメラと燃えていた。
「必ず深大寺温泉に行って、いつか志楽の湯との戦いに白黒つけてやる!」

そう誓ってから、2年以上の月日が流れていた。

初めて行った「深大寺温泉 湯楽の里」は、なかなか良い雰囲気だった。
2年前、担当者が言っていたように建物は古民家風。浴場は志楽の湯と比較してかなり狭いが、ゴツゴツ岩の露天風呂に飾りっ気のない内風呂というシンプルな構成。客層も落ち着いた“大人の温泉”といった感じだ。入るだけで運気が上がる「風水温泉」というコンセプトもいい。オッサン的には「?」だが、女性には人気がありそうだ。

温泉としてはかなり高得点だ。
“風呂に関しては”「志楽の湯」と張る。

担当者よ、2年以上経ってしまったが、たしかに「良い温泉」であることは認める。しかし。

しかし、おれにとっては決定的な要素が足りなかった。

サウナがない!!!!!

「塩窯風呂(しおがまぶろ)」という、いわゆる低温多湿のミストサウナはあるが、サウナーにとってともいえる高温ストイックなドライサウナがない。
ご丁寧に水風呂は用意されているが、50度程度の低温サウナでは本来プロサウナーが期待する“仕上がり”は到底実現できない。

おれにとってこれはあまりに致命的で、「志楽の湯」ならば最低3時間居られるが、ここは1時間で出てしまった。

28ヶ月の時を超え、ついに「深大寺温泉VS.志楽の湯」の決着が着いた。

「志楽の湯」の不戦勝。

おれが審査員である限り、サウナが欠けていては公平な審査は不可能だ。
野球で例えればキャッチャーがいないようなもので、メンバー不足で不戦敗。
サウナ抜きの審査が必要ならば、他をあたってくれ。

おれは今後も「志楽」に通い続ける。以上。

ただ、

かけ流しのお湯はなかなか良かったなぁ。

驚くほどスベスベになった50肌をさすりながら、そう思った。

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