マッキー本田

遺書(ブログ)

【備忘観戦録】マー君8年ぶりNPB登板をFの四番とエースが迎撃(4・17東京ドーム)

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勝利投手 日本ハム 上沢 (1勝2敗0S)
敗戦投手 楽天 田中将 (0勝1敗0S)
セーブ 日本ハム 杉浦 (0勝0敗4S)

撮影:マッキー本田

イーグルスが、田中将大の8年ぶりのNPB復帰戦をファイターズの東京主催ゲームに当ててきた。これをファイターズの悩める四番と悩めるエースが、見事返り討ちにした試合

ファイターズ打線は初回、2アウトから3番近藤健介が四球で出ると、4番中田翔が今季初ホームランで強烈な先制パンチ。イーグルスも2回表、すぐさま今日誕生日の20歳黒川史陽のタイムリーによって1点返すも、その裏9番ファイターズ石井一成が完璧なソロホームランを浴びせ、序盤で3-1と2点のリードを勝ち取る。

こうなると流れはこちらのもの。ファイターズのエース上沢直之が本来の投球を取り戻し3~6回を無安打無失点。7回には先頭の浅村栄斗にヒット、続く茂木栄五郎に四球とこの試合2度目のピンチにさらされるも、落ち着いてきっちり無失点で退けた

ファイターズは6回にもこの日2本目となる中田のソロホームランで得点を追加し4-1する。3点リードのまま、8回宮西尚生、9回を杉浦稔大がそれぞれ三者凡退に抑え、逃げ切り勝利。

「活躍すべき選手が、本来の力を発揮すればこうなる」ことを実証してくれたかのような快勝。今季これまでのベストゲームと言っていい。

四番・中田翔、どん底からの豪快な2発

撮影:マッキー本田

多くは語るまい。悩める四番・中田翔の2発。特に1発目は思い出すだけでもグッとくる。

昨年あれだけチームを引っ張ってきたレベチ男が、開幕して17試合も消化しているのに本塁打は0本。そろどころか、チームメイトが作ってきたチャンスを何度も何度も潰してきた。期待に応えられない自分への悔しさ。きっと「もう外してほしい」とすら思ったはずだ。

それでもチームは4番から外さないし、チャンスは相変わらず回ってくる。打てない。そのせいでチームが負けることもあった。自分自身への歯がゆさ・情けなさは試合を追うごとに積み重なるばかり。負のスパイラルは決して逃がしてくれない。バットをへし折って懲罰交代を食らったこともある。逃げたい。なぜ外してくれないんだ

昨日までの中田は間違いなくどん底にいた。

そんな鬱屈のどん底から這い上がるような豪快な一発だった。田中将大の高めへの失投を見逃さず強打した。弾道が高く滞空時間の長い中田らしいホームランだった。中田もホームを踏んだあと思わずガッツポーズが出た

おれは現地で見ていた。コロナ蔓延防止の最中だが、ボールがスタンドに届いた瞬間「よしゃーーー!」とつい大声が出てしまった。涙が出た。周囲の人に気づかれないようにそっと涙を拭おうとしたら、眼鏡に手が当たって拭けなかった。そうだ、観戦中は眼鏡をしてたんだった。

6回裏にもう1発ホームランを打ったときは、おれ以上に大声で喜んでいる隣の人と抱き合いそうになったが、それはさすがにやめた。やめたが、初めて目が合った。その人の目のまわりもぐちょぐちょに濡れていた

つい感傷的になって多くを語ってしまった
ただ一人のホームランバッターが1本2本ホームランを打っただけの話だ。それでも、これほどまでにファンの感情を揺さぶるというのは他ならぬ中田翔の特性だと思う。

「絶対に忘れてはならない」じゃなく、今日は「絶対に忘れられない」日になった。

撮影:マッキー本田

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