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【備忘観戦録】●手に汗握るシーソーゲームは土壇場ミス連発で逆転負け(9・03 ZOZOマリン)

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勝利投手 ロッテ 佐々木千 (8勝0敗1S)
敗戦投手 日本ハム 井口 (1勝1敗0S)
セーブ ロッテ 益田 (0勝4敗29S)

降りしきる雨の中でプレーボール。ファイターズは初回、その雨が味方につき、マリーンズ守備による2本のフライキャッチミス(記録はヒット)で贈り物のような3点のリードを得る。

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今日もイケイケ……となればよかったんだが、さすが首位を1.5ゲーム差で追走するマリーンズは、思惑通りにいかせてくれない。

2回裏にファイターズ先発の池田隆英が捕まり、2点を返される。1点差に詰められたファイターズは4回に佐藤龍世による値千金の追加点(1得点)で突き放すが、マリーンズもその裏マーティンのソロホームランと荻野貴司の押し出しで2点。ついに同点に追いつかれてしまった。

しかし、ここで終わらないのが今の好調ファイターズだ。

5回裏ファイターズは2アウト1塁3塁というチャンスを作り、中島卓也が狙いすましたようなセンター前ヒットを放った。見事な勝ち越し点。

この後ファイターズ1点リードのまま、両軍リリーフが好投。両軍一歩も譲らないまま、一度落ち着いた雨が再び強くなりだした。そして問題の8回裏である。

マウンドに井口和朋が上がった頃には、雨は最高潮。土砂降りの中、井口も制球が定まらず、グラウンドは予測のつかない跳ね方をする。1アウト2塁の場面で、佐藤都志也の単純なショートゴロが、ショートの名手中島のグラブをはじいてしまった。

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これがエラーとなり、ついに同点に追いつかれた。さらに藤岡裕大の平凡な1塁ゴロがファースト高濱のグラブを弾きライト前ヒットになり(+1点)、続く角中勝也に犠牲フライを決められ1点追加この回3失点を喫し7-5、試合が決まってしまった。

序盤に雨によって借りた得点は、雨によってきっちり利子をつけて取り立てられた

中盤まではシーソーゲーム。中盤からは両軍リリーフの意地のぶつかり合いといった、片時も目が離せない好ゲームだった。

問題の8回に首位を争うマリーンズとの差が出たともいえるが、ファイターズだって決して負けていないと感じた。ファイターズ9安打、マリーンズは7安打。敗北は残念だが、ファイターズ打線自体の好調はキープしている。

連勝が途切れてしまったことに気落ちせず、ミスなんかで落ち込まず、今後も“これまで通り”に試合に励んでほしいと思う。そうすればきっと勝てる。期待はやめない。

中島卓也の意地の勝ち越しタイムリー

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8回裏、雨で守りにくかったとはいえ、大事な場面で決定的なエラーを犯してしまった中島だが、5回表に値千金のタイムリーヒットを打ったことは事実として消えないし、忘れたくない。

ファイターズは5回表、先頭の野村佑希と淺間大基がヒットで出塁し、1アウト1塁2塁と絶好の勝ち越しチャンスを作る。打席には復活が望まれる大田泰示。ファンの期待を背負い気合たっぷりに打席に臨んだが、あえなくサードゴロのゲッツー崩れで凡退。残念そうに天を仰ぎながら1塁を駆け抜ける大田。残念!

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次の打者は中島卓也。SNSでは「代打を出さないのか?」「ここが勝負だろ」という声が飛び交う。

当然それもありだ。マリーンズのマウンドは右のスライダー投手・東妻勇輔に代わっている。ならばベンチには勝負強い王柏融がいるし、同ポジションに打撃好調の石井一成もいる。

しかしベンチは代打策を選ばなかった。真意は分からない。ただおれも「代えてくれるな」と念じていた。

大田が打たなければ中島が打て――理屈じゃなく、ここは「中島が決めるのが美しい」と感じた。
(もちろん栗山監督には何か根拠があったと思うが)

中島自身も、何か感じ入る部分があったのだろう、打てる球を必死で選ぶ。アウトローの難しい球はストライクゾーンでも捨てだ。胸元の内角球はカットする。そして並行カウントになった5球目、真ん中から内角に食い込んできたスライダーを狙いすましたように叩き、教科書通りのセンター返しを決めた。

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これが二遊間ど真ん中を破り、三塁ランナーの野村が悠々ホームイン! 勝ち越し! 一塁上でガッツポーズの中島。

「よっしゃあ!」とこの日一番の声が出た。昨日もそうだったが、今の中島は1打席1打席に魂を込めている。栗山監督も中島のそんな雰囲気を感じ取っていたのかもしれない……なんてメルヘンな幻想を抱いてしまう。

それだけに、8回のショートゴロは難なく捕ってほしかった。恥ずかしげもなく「たられば」を言わせてもらえれば、あれさえ取り消せれば、もしかしたらお立ち台に登っていたのは佐々木千隼ではなく、中島卓也だったかもしれない……。

そんな悔しさも込めて、憶えておきたいシーンになった。

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