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【備忘観戦録11~対マリーンズ~〇】サヨナラ勝ちで2勝目

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勝利投手 日本ハム 北山 (1勝0敗0S)
敗戦投手 ロッテ ゲレーロ (1勝1敗0S)

9回は宇佐見劇場

劇的なサヨナラ勝ちで11試合目にしてようやく2勝目。

9回裏ノーアウト1塁3塁、サヨナラ不可避の大チャンス。バッターは宇佐見真吾。宇佐見は直前9回表にルーキー北山亘基を助ける大ファインプレーをしたかと思えば、打撃妨害(おれ判定では捕球妨害)で三振を取ったはずの打者を塁に出したりと、あらゆる意味で”お目立ちフィーバー”がかかっていた。

間違いない。これはやる。宇佐見は必ずやる。

ところが1球目ボールの後の2球目、高めに入ってきたストレートを引っかけ浅いファールフライ……。

「ああんもう! 次、次!」とキレかけた瞬間、打球はマリーンズレフト髙部瑛斗の前へポトリと落ちた。しかもフェアゾーン。慌てて本塁へ走る三塁ランナーの細川凌平。つんのめりながらホームイン。劇的なサヨナラ勝ち! 同時にルーキー北山に嬉しい初勝利がついた。

リアルタイムでは興奮していたので、後で見返したんだが、打った宇佐見が打球を見ながら走らなかったところを見ると、本当にファールゾーンから打球が戻ってきた感じだったんだろう。タッチアップでサヨナラの場面、レフトの高部は、ファールの場合は「捕らない」選択をしていた。

マリーンズベンチで高校球児のように号泣する高部の様子も併せて、忘れられないシーンになった。泣くな、お前は悪くない。

エンドラン成功で鳥肌

このサヨナラ劇には、ちゃんとプロローグがあった。あれだ。「石井一成の初球エンドラン」だ。

9回裏、先頭のヌニエスが死球で出塁。一塁ランナーに代走細川を立てて、石井一成の打順。「よほど自信がない限りは盗塁はできない」(BSテレ朝 解説:白井一幸)場面。大方の予想では送りバントだ。

なんと、その初球に細川が走った。

セカンドの池田来翔が二塁へカバーに動いた瞬間、開いた一二塁間を狙いすましたように石井一成がヒッティング。打球は見事外野へ抜け、ノーアウト一塁三塁という最高の形を作り上げた。

まるでゲーム。お手本のようなエンドランである。

ついに新庄采配が目に見える形でズバリ的中! あまりのエクスタシーに、全身鳥肌が走った。誰かに見せたかったが部屋には一人だった。立った鳥肌をそっと撫でた。

NK砲炸裂

幕切れこそ宇佐見に”持っていかれた”感じになったが、今日は序盤からファイターズファンのテンションが上がる展開だった。紛れもない。先制点となった3回裏の野村佑希のホームランと、これに続いた4回裏の清宮幸太郎のホームランのおかげだ。

3回裏1アウト。バッターは野村佑希。ボール球を2球続けられた3球目、内角高めの窮屈なコースにきたストレートを腕を折りたたんで強振。決して真芯を捉えたわけではない打球は、絶妙な角度で打ちあがり、そのままレフトスタンドに吸い込まれていった。

そして4回裏の先頭は清宮幸太郎。3-2のフルカウントから来た厳しい低めのストレートを、アッパースイングで上手くすくい上げた。こちらは完璧だった。ちょっと角度が高すぎるかなとも思ったが、力で十分届かせた。滞空時間の長い、美しいホームランにうっとりした。

ハムファンならみんな大好きNK砲。今日、この2人はホームランを放つ前の守備でも好守を連発していた。この2人にホームランが出たのもそういう「流れ」だったんだろう。

「流れ」というと、神の見えざる糸に繋がれた「運気」の世界の言葉のように感じるが、おれはそうは考えない。気分も上がれば調子も上がる。失敗を恐れないようになり、神経が研ぎ澄まされる。

精神論のようで精神論じゃない。もともと一級の技術を持つ野球選手が、調子良いだ悪いだというのは、そういう意味での「流れ」の一部だと理解している。「流れ」はオカルトじゃない。
(一投一打一守による「試合の流れ」というのもあるが、それは別の話)

ファイターズファンのおれが言ってもただの「願望」にしか聞こえないと思うが、この2人、今年はやってくれると思う。

加藤 to 杉浦

先発の加藤貴之は良かった。

6回2/3を投げて被安打は実に「3」。少し球が甘くなり始めた7回以外は、ほとんど打たれた記憶がない。制球が抜群によく、要所要所で、絶対に打てないコースに投げてマリーンズ打線を翻弄していた。ダブルエース上沢&伊藤に続く今年の「第三のエース」は、間違いなく加藤だ。安定感が違う。

さて、ここまで書いたら7回の杉浦稔大に触れないわけにはいかないか。7回表、加藤が突然崩れノーアウト一塁三塁というピンチを作るも、なんとか立ち直り2アウト2塁3塁までリカバリーした。ここでベンチは火消し役に杉浦稔大を送った。

この継投策は物議を醸しそうだが、個人的にはそこはいい。大事なのは、杉浦が、このなかなかハードなミッションを無事クリアできるかどうかだ。「加藤が気の毒だ」「杉浦が気の毒だ」うんぬんよりも、単純に興味があった。

ご存じの通り杉浦といえば、プロ入り以来長く先発をやってきて、昨年は一年間抑えとして9回の番人を任されてきた。こうした「火消し」の場面は(ないことはないだろうが)ほとんど経験がない。

しかしおれは安心していた。

最近の投球でかなり評価を落としてはいるが、杉浦のメンタルは強い。去年、あれだけプレッシャーのかかる場面をくぐり抜けてきたじゃないか。28セーブは伊達じゃない。普段通りにやれば大丈夫。

しかも2アウトだ。普通に1人抑えればいい。「杉浦! ランナーなんていないぞ」。さあ自信もって投げろ!!

投げた。

初球フォークがすっぽ抜けてワイルドビッチ。3塁ランナー生還……。その後のことは思い出したくない。

そう、これも「流れ」だ。たぶんオカルトじゃない。

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