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【備忘観戦録35~対ライオンズ~●】石川直也の帰還

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勝利投手 西武 エンス (2勝1敗0S)
敗戦投手 日本ハム 杉浦 (1勝3敗0S)

衝撃の復活

今日は序盤に山川から2打席連続ムニャムニャされて、投げては先発エンスにムニャムニャされて、最終的にムニャムニャした試合だったが、そのへんの記憶は今後もムニャムニャのままでいい。

今日は7回裏の記憶だけあればいい。

ついにこの日が来た。待ちわびた。”北の大魔神”(勝手にそう呼んでいる)石川直也のド派手な帰還。これだけでいい。

一軍登録は昨日だったが、昨日の試合は「953日ぶりの登板」には、ちょっと余裕がなさ過ぎた。そういった意味では、序盤に大量ムニャムニャされた今日は試運転にもってこいだった。

その投球内容がとにかく衝撃的だった。

石川直也の復活劇場は、「一軍の洗礼」とばかりに先頭のオグレディに手痛い2塁打を浴びたシーンから始まる。

これにより、”ノーアウト2塁で好調ライオンズ打線のクリンナップ3人との対決”という、かなりタフな場面に一変した。

まずは三番外崎修汰には変化球攻め。初球カーブから切れ味抜群のフォーク2連投で3球三振! 「うおおおおお」と、おれはここでひと吠えして「うるせえ」とかみさんに叱られた。

ホッとしたのも束の間、ここでこの回最大の山場と言ってもいい四番山川穂高との対決だった。

今季すでに14本のホームランを放っているこの怪物に、バッテリーも集中しすぎていたんだろう。初球、二塁ランナーにモーションを完全に盗まれ、三塁に進まれてしまった。「1アウト三塁」という失点必至の場面に変わった。

しかしここからの石川が凄まじかった。

1球変化球を見せた後、うなるようなストレートで一気に追い込み、ストライクゾーンからワンバウンドするフォークで空振り三振に斬って取った。「よっしゃー!」とここで今日一番の声が出た。またかみさんに叱られた。

そして五番中村剛也だ。打率は1割台、ホームランも今季はまだ2本と数字的には迫力に欠けるが、騙されちゃいけない。他の対戦チームの場合は知らないが、ことファイターズ相手だと、いつも「打ってくれるな」という場面で大きな一発が出る。実際昨日も嫌な場面で打った。

力は全盛期を超えているかもしれないが、ハマるとどんな球でもスタンドに持っていく技術は健在だ。

そんな中村に対し初球キレのいいフォークボールで空振りに取ると、2球目3球目と渾身のストレートを内角高めにスバっと投げ込む。3球目のストレートはカットされるが、その衝撃に顔をしかめる中村の表情が印象的だった。

そして追い込んだ後、決め球はやっぱりフォークボールだった。中村もそれを読んでいたのか、膝を落として低いボールを捕まえに行くが、落差はそれ以上に大きかった。中村のバットは虚しく空を切り三振。

なんと「954日ぶり」に出てきた投手が、絶好調ライオンズのクリンナップを三者連続奪三振だ。先頭オグレディに打たれた二塁打も、この衝撃をさらに強調するだけの演出にすぎなかった。

今度はかみさんに叱られなかったので、声は出ていなかったんだろう。おれはたぶん泣いていた。

豆腐メンタル

石川直也といえば、かつて「豆腐メンタルなポテンシャルお化け」と呼ばれた”惜しい”若手ピッチャーだった。ピンチに弱く、あからさまにマウンドで青ざめるし、ストライクが入らなくなるし、実際に打たれてベンチでシクシク泣いているシーンも何度も見た。

そんな石川に大きな期待を寄せる栗山監督は、泣く子を引きずり回すように一軍で使い続けた。そのおかげで「豆腐メンタル」もゆるやかに克服していった。2018年には19セーブ、2019年には60試合登板も果たした。

「いよいよ2020年は不動の守護神になる」……そんな矢先での「右ひじの違和感」だった。

治療に専念しながら早期の復帰を目指していたが、2020年夏にトミー・ジョン手術を決意して「最低1年以上は投げられない」と知ったときは悔しかった。あの時のやるせない気持ちは今でも思い出す。

あれから2年が経った。手術後の石川が相当に辛いリハビリに耐えながら、昨秋に実戦復帰したというニュースを聞いた時は、本当に嬉しかったなあ。今季もファームで快刀乱麻の活躍は耳にしている。一切見ていない。

ファーム戦に目を通す余裕がなかったというのもあるが、「あえて見なかった」という部分もあった。

一軍復帰さえ果たせば、石川直也の快投なんか、どうせ週に三度は観られるようになる。

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