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【備忘観戦録】△終盤一挙逆転も、苦悩するクローザー・ロドリゲスが逃げ切れず悔しいドロー(9・10札幌ドーム)

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ファイターズは今季16度目のドロー。しかも悔しい「追いつかれたドロー」16引き分けのうち「追いつかれたドロー」は実に11度目。相変わらずリードを守り切れない。しかし、今日のゲームでは見どころはあった。

ファイターズ河野竜生、ホークス マルティネスの先発でプレイボール。ファイターズは2回、もはや「ハムキラー」といってもいいマルティネスを3連打と攻め無死満塁とするが、後が続かず無得点。今思えばこれが痛かった。以降はまったく手も足も出ず、6回まで楽に投げさせてしまった。

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一方ファイターズ河野は4回、柳田悠岐への死球から調子を崩し2失点。続いて5回にも、その柳田からタイムリーを浴び1失点。ファイターズは3点のビハインドを追って終盤へ臨む。

ホークスは7回から3点リードを守るべく継投策に出る。リリーフの板東湧梧から先頭の代打・松本剛がハングリーに四球を選ぶも、続く木村文紀と西川遥輝がポンポンとアウトを取られ、1塁ランナー釘付けのままツーアウト。ここまではいつも通り。

しかし、ここから突然ファイターズ打線が爆発した。

まずは佐藤龍世が、1塁ランナーをホームまで送り届けるタイムリー二塁打を放ち1点を返す。続く左の近藤健介を打席に迎えたところで、ホークスは慌てて左の渡邉雄大をマウンドに送るが、見事に大明神が返り討ち。2塁ランナー佐藤をホームに運ぶタイムリーヒットでさらに1点を追加。ファイターズの攻撃はまだ止まらない。

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次打者・野村佑希が、代わった田中正義からフルカウントまで粘った末、高めの甘い変化球をセンター前にはじき返した。これでランナーは1塁3塁。正気を失った田中は次の王柏融にストライクが入らずストレートの四球。ツーアウト満塁として、今日の立役者・淺間大基だ。淺間は代わった古谷優人の低めのストレートを強く叩きつけ、見事に一二塁間を破ることに成功。3塁ランナーに続いて2塁ランナーもホーム生還し、一打逆転!

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興奮した。

2アウトからの猛攻で3点のビハインドを跳ね返し、あろうことか逆転にまで成功した。得意のマシンガン継投で必死に守りに回ったホークスを、それを上回る攻撃力で打ち破ったというのも気持ちいい。ここまで27イニング連続無得点も逃げずに応援し続けてきた。そんなファイターズファンの鬱憤が一気に晴れるほどの猛攻だった。

ただし、試合結果は誰もが知る通り。9回表にB.ロドリゲスが同点に追いつかれ、そのまま引き分けということになってしまった。

勝てなかったのは残念だけど、いつもの「痛恨のドロー!」というほどではない。言うまでもない、あの“最高の7回裏”があったからだ。

流れを変える「佐藤龍世の面構え」

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ファイターズファンとして、今日の試合の見どころといえばあの「逆転の7回裏」に限るんだが、なかでも、個人的には2アウト1塁から猛攻の口火を切った佐藤龍世を覚えておきたい。

一軍に上がったばかりの松本剛が先頭で四球を選んだにもかかわらず、後続が倒れ簡単に2アウト。これを観ていたファンのほとんどが、「この回もここまでか」と落胆したに違いない。例外ではない。おれもその一人だった。

しかし打席の佐藤龍世は違った。「ぜってー打ってやる」という面構えで、マウンドを睨みつけていた。

この表情がいい。試合の1シーンを一段と盛り上げてくれる。まるで映像監督に演出されたような「過剰なほどの闘志」

思えば、石川亮も打席では同じような面構えをする。

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もちろん佐藤も石川も、毎回この面構えをしているが毎回打てるわけじゃない。そのことは両者の打率が物語っている。

しかし、この打席の佐藤は見事に打った。

2アウトランナー1塁。1ボール2ストライクと追い込まれた後、坂東が決め球に投げたフォークボールを見事捉え、センター方向へはじき返した。打った瞬間からランナー西川が一塁を蹴っており、俊足を飛ばしてはるばるホームまで生還した。打った後に佐藤が塁上で見せたドヤ顔もたまらない。

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27イニングも得点難に苦しんできたファイターズを、ほんのひと月前までライオンズに属していた佐藤の山賊魂が救った瞬間だった。

「佐藤はそういう顔なんだ」「別に他の選手も顔に出ないだけで闘志を燃やしている」と言われれば当然そうなんだが、こういうわかりやすい「役者」は、少なからずチームを盛り上げる効果がある。

チームが盛り上がれば流れが来る。7回の打線爆発は、佐藤龍世の”むき出しの闘志”によって点火されたものだと思っている。

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